やっとのことで出産を終えたのに、一息つく間もなくはじまる赤ちゃんのお世話。とくにツラいのが、2~3時間おきの授乳ですよね・・・。
こんにちは!
3人の子持ち(娘・娘・息子)で田舎住まいのノッポです。
2017年に長女を出産した際、妊娠中からおっぱいマッサージの指導はされていたにも関わらず、授乳を軽く見ていた私。産後は何度、授乳室で涙したことか…。(自宅に帰ってからももちろん泣きましたよ笑)
さらに、ささっと授乳して自室に戻っていくママを見たときにはもう、「私ってなんてダメな母親なんだろうか」「こんなママでごめんね」と不要な比較をして、自らを地獄に突き落としていました。今思い出しても胸がきゅっとなる記憶です…。
しかし!こんな私でも3人それぞれ、3か月を目安に完全母乳育児に移行できています。産後すぐはママも赤ちゃんもはじめてばかり。とくに1人目の場合はママも手探り状態なので、焦る必要はありません。
今回は、私が経験したことも含めて直母がうまくいかない理由とその対処法をまとめています。少しでも頑張るママの助けになれば幸いです。
そもそも直母がうまくいくまでには時間がかかる
一般的に直母による授乳が安定するまでには、100日程度の時間がかかると言われています。そのため、産後3か月くらいまでは直母がうまくいったりいかなかったりするのは当然です。
なので、直母がうまくいかない原因は、決して「至らない母だから」ということはありません。
現代では血液の病気等々を理由にこの習慣はなくなっていますが、直母が安定するまで、乳児を抱えるほかのママに母乳を与えてもらうことが一般的な時代もあったほど。それほど直母は難しいんです。
渦中にいるときにはどうしても自分を責めてしまいがちですが、文明の利器である哺乳瓶&ミルクの力を適度に借りながら、生後3か月を目安に直母がうまくいくように練習していくことをおすすめします。
ちなみに生後半年まで直母がうまくいかず、搾乳で繋ぎながら頑張ったママもいるそうです。いつ成功するかはママと赤ちゃん次第。おおよその目安として3か月と言われますが、3か月を過ぎたからといって諦める必要はないと思います。
直母がうまくいかない原因
さて、ここでは直母がうまくいかない原因をもう少し深掘りしてみましょう。一般的な原因は次のとおりです。
- ママも赤ちゃんも不慣れ
- おっぱいが硬い、乳頭が飲みにくい形をしている
- 抱き方、おっぱいの含ませ方が悪い
- 体質的に母乳が出にくい
- 乳頭混乱を起こしている
結論を言うと、すべては慣れです。練習を重ねるごとにママも赤ちゃんも吸わせ方、吸い方が上手くなるし、乳頭も柔らかく、ベストな形になっていきます。
ほかにも赤ちゃんが小さく産まれたために吸う力が弱かったり、高さが合わなかったりすることもあります。その場合は、焦らず赤ちゃんの成長を待ちましょう。いずれの場合においてもお互いの準備が整うまでの辛抱です。
ママも赤ちゃんも不慣れ
初産の方はとくに「どうやって抱っこすれば???」「高さはこれであっている???」等々、あたふたしてしまいます。一方で赤ちゃんも原始反射によって産まれながらにしておっぱいに吸い付き、吸い出す能力はあるものの、空腹による焦りやイラだちから大泣きしてしまい、うまくその能力を発揮できないことが多々あります。
おっぱいが硬い、乳頭が飲みにくい形をしている
赤ちゃんは舌を器用に使って母乳を吸い出しますが、おっぱい(乳頭・乳輪)が硬いと舌が滑ってしまってうまく吸い出せません。おっぱいが硬いと浅飲みになり、乳頭を傷付ける原因にもなります。
また、乳頭と乳輪がほぼ平らな状態の「扁平乳頭」や、乳輪よりも乳頭が引っ込んでいる「陥没乳頭」など、乳頭の形が飲みにくい場合も直母がなかなかうまくいかない原因です。
私の場合、長女のときは硬い&扁平・陥没のトリプルパンチだったので、軌道に乗せるまでにかなり苦労しました。(一番苦労したのは長女。ほんとごめん&ありがとう)
抱き方、おっぱいの含ませ方が悪い
直母は気を付ける点が多々あります。おっぱいと赤ちゃんの高さ、赤ちゃんの向き、引き寄せ方、赤ちゃんの頭の持ち方をはじめ、赤ちゃんが大きく口を開け、舌を出したタイミングでおっぱいをそっと乗せるなどなど。
これらのポイントをおさえつつ、泣き出す前の赤ちゃんを素早く抱き上げ、授乳をするのは一朝一夕でできるものではありません。手練れも手練れ。職人ばりの熟練の技術が求められます。しかし、慣れてしまえばこちらのもの。秒で授乳できるようになります。
体質的に母乳が出にくい
産後から泉のように母乳があふれ出る人もいれば、まったく出ない人もいます。こればかりは体質なのでどうしようもありませんが、まったく出ない人でも頻回授乳によりスイッチを入れ、乳腺の発達を促すことで母乳が出るようになります。人によって期間が違うので、ミルクの力を借りながら、母乳が出ることを信じて練習を続けてみましょう。
乳頭混乱を起こしている
哺乳瓶での授乳に慣れすぎてしまい、おっぱいを嫌がる現象を乳頭混乱と言います。
乳頭混乱を起こす原因は、哺乳瓶の乳首の吸いやすさです。母乳を吸い出すのに力がいるおっぱいに比べて哺乳瓶の乳首は少しの力でミルクがびゅーっと出てきます。そのため、お腹が空いている赤ちゃんにとって楽にすぐ飲める哺乳瓶のほうが、すぐにお腹を満たせるため、次第におっぱいを嫌がるようになるのです。
授乳が不快に感じる人もいる
母乳をあげる際、乳房から母乳が出る一連の現象である射乳反射が起こる直前に、不安になったり、不快感を覚えたり、イライラしたりするなどの感情がわき上がる人もいます。
これはD-MER(ディーマー:不快性射乳反射)という症状です。「幸せな授乳のはずなのにネガティブな感情になる、不快感がすごい」「そんな私は、母親失格なんじゃないか」「人として何か欠けているんじゃないか」と悩む人も少なくありません。
しかし、D-MERは今日までに明確な原因が判明しているわけではありませんが、ホルモンバランスの変化やドーパミン低下が関係している可能性が高いと言われています。
そのため、決してあなた自身が悪いわけではないことは頭に入れておきましょう。
また、D-MERによる症状は授乳開始から数分で落ち着くことが多いようなので、我慢できるのであれば授乳を続けるのもありでしょう。しかし、どのくらい続くかは個人差があるし、毎回のことなので、どうしてもツラい場合は直母を諦めるのも一つの選択肢です。
ママが身体・精神ともに健康でいることが、赤ちゃんはじめ家族にとって何よりも重要なことなので、頑張りすぎないようにしてくださいね。
直母がうまくいかないときの対処法
ここからは直母がうまくいかない場合に試してほしい対処法を紹介します。
- 母乳外来に行く
- 直母練習用の哺乳瓶を使う
- グッズを使う
- 手で搾乳する
とにもかくにもまずはプロの手を借りるのが先決です。何が原因で直母がうまくいかないのかは、ママと赤ちゃんのペアごとに違います。プロに見てもらえば、その理由や解決方法が見つかりやすくなるので、悩んだらプロに見てもらいましょう。
母乳外来に行く
母乳外来では、おっぱいマッサージをはじめ、抱き方や吸わせ方の指導をしてくれます。とくに初産の方は行っておいて損はないと思います。
乳腺の開通を促してくれるので、飛ぶように出るおっぱいを見られます。おっぱいが硬い人や乳頭の形が悪い人もおっぱいマッサージを受けることで、赤ちゃんが吸いやすい状態に導いてくれるので、何度か受診することをおすすめします。
母乳外来の選び方
基本的には産院に母乳外来もあるので、出産した産婦人科やクリニックにそのままお世話になるのもおすすめです。ほかにも桶谷式など、個人で母乳外来を開院しているケースもあるので、検索してみましょう。
母乳外来を選ぶ際には、「場所が近いか」「口コミが良いか」をポイントに選ぶのがおすすめです。母乳外来は何度か通うことになるため、産後を過ごす場所から遠いと身体へのダメージが大きくなります。
また、医院によっては「何でもっと早くこなかった?」「こんなことで挫けてたら~」など、メンタルをさらに凹ませるようなことを言ってくるケースもあるようなので、口コミは必ず確認しておきましょう。
直母練習用の哺乳瓶を使う
一般的な哺乳瓶は乳首が柔らかく、少しの力でミルクを吸い出せるように設計されています。一方、おっぱいは乳首や乳頭が硬く、吸ってもすぐに母乳は出てきません。
お腹が空いている赤ちゃんにとってこのギャップは耐えがたいものです。そのため、より楽な哺乳瓶を希望し、乳頭混乱や直母拒否に陥るのです。
そこでおすすめしたいのが、直母練習用に開発された「ピジョン 桶谷式直接授乳訓練用 母乳相談室 哺乳びん」です。
こちらの哺乳瓶は、一般的な哺乳瓶の乳首より硬く設計されているため、力強く吸わなければミルクが出てきません。授乳時間は長くなりますが、根気強く使用することで吸う力が強くなり、硬い乳首でも上手に吸い出してくれるようになります。
何を隠そう、私も長女のときからお世話になっています。この哺乳瓶でトレーニングしつつ、おっぱいの状態も整えていくことで、3人全員を完母に持っていくことができました。
ただし、咥えさせる際のポイントをおさえていないと、その効果は半減します。咥えさせ方のポイントについては、下記記事で解説しているので合わせて読んでみてください!
関連記事:母乳相談室 使い方
グッズを使う
現在では、授乳する際に使用すると便利なグッズがたくさん出ています。ここでは無くても困らないけど、あったら便利なグッズを紹介します。
赤ちゃんが小さい・授乳ポジションが取りづらい人におすすめ:授乳クッション
赤ちゃんの身長や体重などにもよりますが、授乳時に高さが足りずに授乳ポジションが悪く、授乳がうまくいかないケースもあります。そうした場合には授乳クッションの使用がおすすめです。
まくらやクッションなどでも良いのですが、授乳クッションは半楕円形でママの身体にフィットしてくれるため、より効果的に授乳の姿勢を安定させてくれます。ママの肘置きにもなるので、リラックスした状態での授乳が叶います。
授乳クッションはさまざまな商品があり、どれが合うかは人それぞれです。個人的な見解としては、さっと装着できてスムーズに授乳を開始できるため、U字型のタイプがおすすめです。また、素材がウレタンのものは長期間使用してもへたれにくいため、二人目、三人目ができたときにも使えるでしょう。
関連記事:授乳クッション
母乳量が足りない・乳腺炎がこわい人におすすめ:ゴボウシ
ゴボウシは、ゴボウの種子を乾燥したもので、乳腺炎の治療や予防に役立つと言われている漢方です。乳管を広げる効果があり、乳汁の分泌と通りをよくしてくれます。そのため、乳腺炎はもちろん、母乳量が足りていないと感じている人にもおすすめです。
次のように煎じて飲むのが一般的です。
- ゴボウシ大さじ1と、水600mlを鍋に入れて火にかけ沸騰させる
- 中弱火にして、半分(300ml)になるまで30分ほど煮詰める
- 1回100mlを目安に、食前の空腹時に飲む
3回に分けて飲みますが、冷めると効果が減るため煮だしたあとは、すぐに飲まない200mlは魔法瓶などに入れて保温しておきます。ちなみに、ものすごく苦いです。良薬口に苦しとはこのこと。しかし、乳腺炎の予防はもちろんのこと、初期の軽い乳腺炎であればゴボウシで解消することもあるので、母乳が安定するまでは毎日飲んでもおつりがくる効果です。
乳腺炎になって助産師外来に駆け込み、産院に連続で通うよりはリーズナブルなため、詰まりやすいもしくは母乳量が足りないかも・・・と感じている人はぜひ試してもらいたい商品です。
乳頭が短い、陥没・扁平乳頭の人におすすめ:ニップルシールド
乳頭が短い人や陥没・扁平乳頭の人におすすめなのが、ニップルシールドです。ニップルシールドは赤ちゃんが吸いやすいように形が設計されており、肌に密着してくれるので、使用することで吸いにくい形のおっぱいでも上手に授乳できるようになります。また、乳頭を保護してくれるので、傷がある場合にもおすすめのグッズです。
ただし、サイズ選びは慎重に行いましょう。サイズが合わないと授乳中にパカッと外れてしまい、うまく授乳できません。メーカーによって詳しいサイズを表記してくれていますが、実際に付けてみないと分からないこともあります。メーカーは限られますが、産院や母乳外来にはだいたいニップルシールドを置いているので、貸してもらえるかどうか聞いてみるのもおすすめです。
ちなみに私はニップルシールドでの授乳は合わず、母乳外来で貸してもらいましたがほぼ使いませんでした・・・。
乳頭に傷がついて痛い人におすすめ:ランシノー
ランシノーは、羊毛に付着している分泌物を精製した天然オイルです。乳頭や乳房の乾燥対策や保湿ケアとして用いられます。
まだ授乳になれない時期には乳頭のトラブルがつきものです。ラッチオン(吸い付き方)が上手くいっていない場合には、乳頭に傷が入ることもあります。しかし、赤ちゃんの口に入る部分なので、傷薬を塗るわけにはいきません。
その点、ランシノーは天然成分のオイルなので、赤ちゃんの口に入っても心配ありません。乾燥・保湿ケアにより、痛みも緩和してくれるため、可能であれば傷がつく前から授乳後に毎回塗るのがおすすめです。
ちなみにランシノーが余った場合はリップクリームや手足などの保湿ケアにも使えます。
手で搾乳する
私がお世話になった母乳外来の助産師さん曰く、「搾乳器は乳房全体に圧をかけて搾乳するため、いずれ上手くいかなくなる」ということでした。そこでおすすめされたのが、赤ちゃんの吸い方により近い方法である手での搾乳です。具体的なやり方は次のとおりです。
- 親指と人差し指、中指を乳輪に沿わせる(乳頭は触らない)
- 身体に押し込むようにしてから、赤ちゃんが吸い上げるように引っ張る
搾乳器と違い、手での搾乳を行うと母乳を出しつつ、乳輪も柔らかくできます。搾乳した母乳は哺乳瓶等に入れ、母乳フリーザパック等で冷凍しておいて、次回の授乳に使うのがおすすめです。
まとめ:直母は3か月を目安に軌道に乗せられれば大丈夫
直母は最初からうまくいくほうが珍しく、私の周りも産後に苦戦している人ばかりでした。3人産んだ私ももれなく苦戦し、産後3か月ほどは格闘の日々を送ったことを思い出します。
3人目なんて直母拒否にまで陥ってしまってからの完母に持っていけたので、ディーマーや精神的に苦痛を感じる等の人でない限りは、直母は成功できると思います。
ただし、「母乳絶対!!」というわけではなく、人によって事情があるのでミルクも大賛成です。いずれにしろ、ママがツラくないことが大切です。たとえ義母等に「母乳じゃなきゃかわいそう」なんて小言を言われても「うるせぇんだよ」で大丈夫。ママと赤ちゃんの絆は、二人にしか分からないことですからね。
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