「産後すぐにおっぱいをあげられる」
そう思っていたのですが、実際は試練の連続でした。
こんちには!
3人の子持ち(娘・娘・息子)で田舎住まいのノッポです。
3人目を出産したあとすぐは上2人を完母で育てたこともあり、「3人目だし、おっぱい余裕でしょ~」と思っていました。そのため、入院中は「おっぱいは退院してから頑張ればいいや!今は身体を休ませるとき~」と気楽にゆっくりしていたのです・・・。
それはそれでありなのですが、今思えばプロがいる入院中にもっと授乳指導を仰げばよかったなと。そしたら、産後うつと診断されるほど授乳に悩むこともなかったのかもしれないな・・・と。
その後、3か月かけてやっとこさ直母ができるようになったのですが、その道のりを残しておこうと思います。
産後、直母がなかなかうまくできない、拒否されて悲しいと感じているママにとって少しでも力になれたら幸いです。
直母拒否とは
直母拒否とは、直接おっぱいに吸い付いてもらって、母乳をあげたいのに赤ちゃんが嫌がることです。直接母乳をあげたいママにとって、最愛の我が子から拒否られることはこのうえない辛さ・・・。
赤ちゃんの顔におっぱいを近づけるだけでギャン泣きされようものなら、まるでママ失格とでも言われているかのように感じ、心が折れそうになる。その気持ちは経験者としてよく分かります。
ここで声を大にして言いたいのが、「ママ失格」なんてことはまったくないということ。全治2か月程度の交通事故並みのタメージを負って我が子を産んでるんですから、それだけでもグレートマザーに決まっています。国民栄誉賞をもらってもいいくらいです。笑
直母を拒否する原因
直母を拒否する原因としてはさまざまなことが考えられます。
私の場合は冒頭にもあったとおり3人目だからと余裕をぶちかましていたことと、それに相反することですが上2人のときに完母になるまでの大変さによるトラウマが蘇ったことで、直母の練習をほぼしていなかったことが原因だと思っています。さらに扁平・陥没乳頭だったのもあり、第3子はさぞやりづらかったことでしょう。笑
一般的に言われているのは、次のような原因です。
- ママも赤ちゃんも不慣れだから
- 赤ちゃんが哺乳瓶慣れしてしまったから(乳頭混乱)
- 乳頭の形が悪く、赤ちゃんが吸いづらい
ママも赤ちゃんも不慣れだから
生まれたばかりの赤ちゃんでも唇やその周辺に何か触れると吸い付く原始反射によりおっぱいを飲める能力が備わっています。しかし、上手に吸えるかどうかはその子次第でもあり、ママの吸わせ方次第でもあります。
多くの場合は慣れない作業なので上手くいかずに赤ちゃんはお腹が空いきすぎてギャン泣き、ママも「なぜ上手くいかないのか」と半泣きになります。
ここで自分を責めるママも多いですが、はじめから上手くいくペア(ママと赤ちゃん)はそうそういません。哺乳瓶など文明の利器に頼りながら、上達するまで辛抱強く練習するほかありません。
赤ちゃんが哺乳瓶慣れしてしまったから(乳頭混乱)
哺乳瓶は赤ちゃんが吸いやすいように乳首部分が柔らかく設計されています。一方でおっぱいの乳首は、はじめは固く、母乳もなかなか出てきません。
そのため、授乳が哺乳瓶だよりになり、赤ちゃんが哺乳瓶慣れして固くてなかなか出てこないおっぱいを拒否する流れになるケースも多くあります。
これに関して詳しくは後述しますが、直母トレーニング用に作られた哺乳瓶(桶谷式直接授乳訓練用 母乳相談室 哺乳器)があります。
乳首部分が固めに設計されており、直母に近い吸い方でないとミルクが出てこないようになっているため、直母を諦めたくない場合は後述する哺乳瓶の使用を検討しましょう。
乳頭の形が悪く、赤ちゃんが吸いづらい
赤ちゃんは乳頭に舌を巻き付けておっぱいを飲みますが、乳首の凹凸がなく乳輪とほぼ平坦な状態の「扁平乳頭」や、乳頭がへこんだ状態になっている「陥没乳頭」の場合、舌を巻き付けるのが難しくなります。
そもそも舌を巻き付ける前段階である吸着が難しいケースも出てきます。
私は左乳が扁平かつ陥没乳頭だったので、とくに左乳の授乳には苦労しました。しかし、マッサージや搾乳を繰り返すことで、今では乳頭が出て直母ができるようになっています。
直母拒否の克服に効果があった6つの方法
ここからは直母拒否を克服するのに、私が実際に試した方法を紹介します。ママと赤ちゃんのペアの状況によって克服方法は違ってくるので、試しやすい方法からチャレンジしてみてください。
具体的な方法は次のとおりです。
- おっぱいマッサージに行く
- 直母練習用の哺乳瓶を使う
- 手で搾乳する
- 授乳の仕方を工夫する
- 1日1回は直母に挑戦する
- 湯船に浸かって授乳する
おっぱいマッサージに行く
産後すぐはおっぱいを出す乳管が開通してない、または開通している本数が少ない状態です。赤ちゃんに吸ってもらうことで開通する本数が増えてきますが、直母拒否で吸ってもらえない場合は人力で開通する必要があります。
そこで利用したいのが乳房マッサージ、通称おっぱいマッサージです。産婦人科や助産院で行われています。
おっぱいマッサージを利用したことで分泌がよくなり、直母拒否が改善した人もいます。自分で行うおっぱいマッサージとは違い、乳汁がピューっと勢いよく飛ぶ様は「私も哺乳類なんだ・・・」とよく分からない感動を覚える光景です笑 母乳量が少ないかもしれないと感じている人も、この光景は勇気づけられるものになるでしょう。
産婦人科や助産院でも親身になってくれるところとそうでないところがあります。場合によっては無駄に傷つく言葉をかけてくるケースもあるので、口コミ等を確認して信頼できそうなところを探しましょう。
直母練習用の哺乳瓶を使う
一般的な哺乳瓶は乳首が柔らかく、少しの力でミルクを吸い出せるように設計されています。一方、おっぱいは乳首や乳頭が硬く、吸ってもすぐに母乳は出てきません。
お腹が空いている赤ちゃんにとってこのギャップは耐えがたいものです。そのため、より楽な哺乳瓶を希望し、直母拒否に陥るのです。
そこでおすすめしたいのが、直母練習用に開発された「ピジョン 桶谷式直接授乳訓練用 母乳相談室 哺乳びん」です。
こちらの哺乳瓶は、一般的な哺乳瓶の乳頭より硬く設計されているため、力強く吸わなければミルクが出てきません。吸う力が強くなり、固い乳首にも慣れるので直母拒否の克服には欠かせない存在とも言えます。
何を隠そう、私も長女のときからお世話になっています。3人目のときもこれなしでは直母拒否は克服できていなかったのでは?と思うほど、心強い相棒でした。
ただし、咥えさせる際のポイントをおさえていないと、その効果は半減します。咥えさせ方のポイントについては、下記記事で解説しているので合わせて読んでみてください!
手で搾乳する
おっぱいマッサージに行った際に指導されたことの一つに「手で搾乳する」ことがあります。赤ちゃんは搾乳器のように乳房全体からではなく、乳輪周辺を刺激しておっぱいを出すスイッチを入れるため、そのやり方に似せた搾乳方法をしないとそのうちおっぱいが出なくなるのだそうです。そのため、赤ちゃんの吸い方に極力似せた方法で搾乳する必要があるとのこと。
その方法が、手での搾乳です。手での搾乳方法は次のとおりです。
- 親指と人差し指を乳輪に沿わせておく
- おっぱいを自分側に押す
- つまみ出すように優しくおっぱいをひっぱる
これの繰り返しです。搾乳をはじめる前には、母乳を出やすくするためにおっぱいマッサージをするのがおすすめです。また、搾乳した母乳は捨ててしまうのはもったいないので、哺乳瓶などで受け止め、そのまま授乳に使用する、または母乳専用のフリーザパックに入れて次回の授乳時に使用するようにしましょう。
授乳の仕方を工夫する
縦抱き、横抱き、フットボール抱きなど、赤ちゃん直接おっぱいをあげる方法は一つではありません。ママがやりやすい方法もあれば、赤ちゃんが飲みやすい方法もあるので、まずはさまざまな抱き方にチャンレジしてみてください。オーソドックスな方法は次のとおりです。
- 縦抱き:ママの足に赤ちゃんを座らせるようにして授乳する方法。乳輪までしっかり咥えさせられるので、乳頭が短い人におすすめ。赤ちゃんがおっぱいを咥えたら、ソファの背もたれに寄りかかれるなど、ママの体勢維持が楽なうえ、赤ちゃんの吐き戻しも少なく、げっぷを出しやすいのもおすすめのポイントです。
- 横抱き:授乳クッションなどに赤ちゃんをママの方を向くように横向き寝かせて、授乳する方法。赤ちゃんの顔が見えるため、アイコンタクトによるコミュニケーションが取れる点がメリットです。
- フットボール抱き:赤ちゃんをママの脇に沿わすように寝かせて、ラグビーのボールを抱えるような体勢で授乳する方法。傷に当たらないため、帝王切開で出産されたママにおすすめ。小脇に抱えるため、双子の場合にもおすすめの授乳方法です。
私の場合はどれもダメでしたが、赤ちゃんを床に寝かせて上から四つん這いで覆い被さる「四つん這い授乳」では、何度か飲んでくれました。ただ、結構きつい体勢なので、毎回はおすすめない方法です・・・。
1日1回は直母に挑戦する
先にもお伝えしましたが、上2人の完母までの道のりがハードすぎた記憶から、3人目は直母の練習が恐くなっていたこともあり、直母はしたいけど練習しようという気がなかなか起きませんでした。そんなときにふと同じような人がいないかとSNSをはじめ、出会った人に「1人目のときは1日1回は絶対に直母の練習してた」という話を聞きます。
「毎回練習しなきゃいけない」と思っていたし、でも毎回練習してたらたぶんメンタル崩壊していたと思っていたところだったので、これは朗報と1日1回練習する方針に切り換えました。
結果として、3人目も完母にまでもっていけたので、毎回の練習がしんどい場合は、1日1回は練習するスタンスでも大丈夫かと思います。ただし、毎回練習する場合よりも克服までに時間がかかることは覚悟しておく必要があるでしょう。
湯船に浸かって授乳する
直母拒否に悩んでいたときにあれこれ単語を変えて検索しており、そのなかで行き当たったのが四六時中肌と肌を触れあわせて、赤ちゃんの本能を引き出すという情報です。
ただ、この方法は宅配便の受け取りなどいろいろ不便な面があったので、湯船のなかでなら無理なくできると思い、チャレンジしてみたところ大当たり。後におっぱいマッサージでお世話になった助産師さんに報告したところ、「お風呂でリラックスしているうえに血流が良くなったことで上手くいったのかも」と言われました。
赤ちゃんも「絶対成功させるぞ」と息巻いてガチガチに力が入った状態でおっぱいを近づけられるよりも、ゆったりとした気持ちで「飲んでみて」と進められるほうが飲む気になりますよね。笑
お風呂での成功体験を経て、お風呂中、お風呂上がり、寝る前と徐々にお風呂以外でも直母ができるようになりました。ちなみにお風呂で授乳する際は縦抱きです。赤ちゃんが溺れないように注意してください。
直母拒否克服のために試したけど効果がなかった方法
あくまで個人的な経験に基づく意見ですが、直母拒否を克服するために試したけど効果がなかった方法も参考までに紹介しておきます。
- ニップルシールドを使う
- まどろんでいるタイミングでおっぱいをあげる
ニップルシールドを使う
ニップルシールドは乳頭保護を目的とした商品ですが、乳頭混乱をおこし直母を拒否している場合にも使用されるツールです。私が3人目の場合も乳頭混乱が疑われていたので、ニップルシールドの使用を進められましたが、全然うまくいきませんでした。
そもそもサイズがあっていなかったのか、パカッと外れる始末。食感?が嫌だったのか、息子もすぐに口から出していました。
幸いなことに助産院から貸し出してもらえたので、お金を無駄にすることはありませんでしたが、絶対に成功するとは限らないためニップルシールドは賭けだなと思います。
まどろんでいるタイミングでおっぱいをあげる
ある程度、哺乳瓶で授乳してお腹が満たされ、赤ちゃんがまどろんでいるタイミングでおっぱいにすり替えるという方法も試してみましたが、私には難易度が高すぎました。笑
哺乳瓶を抜いたタイミングで寝てしまう、反対に泣いてしまうため、「みんなどうやってるんだろう・・・?」と思いながら何度かチャレンジしてみましたが、うまくいかず。早々に諦めたのでした。笑
まとめ:つらい直母拒否を乗り切るために
そもそも母乳育児は軌道に乗るまでに100日かかると言われています。(なので、今回の3人目が直母拒否だったかどうかと言われると、怪しいところだと思います。)
産んだらすぐに授乳できると思いがちですが、産むときも大変で産んでからも大変です。寝不足で気持ち的にも余裕がなくなりますが、おっぱいは1日にしてならずです。
パパや実家、義実家、友人、産婦人科など、頼れるところに頼りながら3か月を目処に飲めるようになれば良しと考える気持ちの余裕が一番の成功の秘訣かもしれません。(ね、あの頃の私)
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